ジェンダー問題は、現代社会における最も議論され、研究されるテーマの一つです。
この記事では、「ジェンダー」という概念の基本的な理解から始め、大学生がレポートで取り組みやすい具体的なテーマの選び方を解説します。
また、身近なジェンダー問題ついての深堀り、そしてレポート作成のための研究・調査までを幅広くお伝えします。
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目次
そもそもジェンダーとは?
まず、『ジェンダー』という言葉について説明します。
ジェンダーとは、生物学的な性別に対して、社会的・文化的に構築された性差の概念です。
具体的には、「男性は稼いで女性は家事をするべき」という考えや、「男の子はヒーロー、女の子はプリンセスが好き」というステレオタイプなどが挙げられます。
≫ジェンダーとは?10種類のジェンダー問題を例を用いてわかりやすく解説!
レポートで書きやすいジェンダー問題のテーマの選び方は?
レポートで書きやすいジェンダー問題のテーマの選び方を解説します。
関心が高く持てるジェンダー問題
自分の個人的な関心が高いテーマを選ぶことが重要です。
まず、自分が興味を持っているテーマについては、より多くの時間を投資する意欲が自然と湧いてきます。
研究や調査を進める過程で生じがちな困難に直面しても、モチベーションを維持しやすくなります。
さらに、個人的な関心からテーマを選ぶことで、問題に対して独自の視点を発見する機会が増えます。
多くの場合、一般的な視点では見落とされがちな側面に気づくことができ、それをレポートに取り入れることで、読者に新しい洞察を提供することが可能になります。
比較研究を行う
異なる国や文化間でのジェンダーの扱いを比較することも興味深いアプローチです。
例えば、西洋文化と東洋文化におけるジェンダーの違い、あるいは先進国と途上国のジェンダー政策の比較など、地域や文化の違いがジェンダーに与える影響を掘り下げることができます。
比較する国や地域をユニークにすることで人と被らないテーマを見つけやすくなります。
大学生にとって身近なジェンダー問題のテーマ5選!
大学生にとって身近なジェンダー問題のテーマを5つ解説します。
紹介するテーマは以下の5つです。
スポーツとジェンダー問題
スポーツとジェンダー問題は、スポーツ業界のジェンダー格差問題や甲子園のマネージャー問題、体育におけるジェンダー問題などが挙げられます。
例えば、格差は近年も残っており、2018年のサッカー男子ワールドカップの優勝賞金は約 430億円だったのに対し、2019年のサッカー女子ワールドカップの優勝賞金は約32億 5千万円にとどまります。
≫スポーツとジェンダー問題~変わりつつあるスポーツ業界の現状~
アウティング
アウティングとは、本人の了承なく、本人が公表していない性的指向や性自認を第三者やSNSに暴露する行動を指します。
アウティングは、プライバシー権の問題や選択の自由などの侵害となり、アウティングに関わる事件や事例はたくさん発生しています。
また、埼玉県の調査によると、アウティングの認知度について、「言葉を聞いたことがないし、意味も知らない」が8割強(82.9%)でした。
このことからも、自覚なくアウティングをしてしまうことも考えられます。
≫アウティングとは?意味やカミングアウトとの違い、事件・事例を解説
≫カミングアウトとは?意味や使い方、LGBTとの関係をわかりやすく解説
#MeToo運動(ミートゥー運動)とは?
#MeToo運動とは、今まで公表できなかったセクハラやパワハラ、性的被害などを「#MeToo」というハッシュタグとともにSNSに投稿することで、被害を公表する運動です。
「MeToo」という言葉には”私も”という意味があるように、芸能人や著名人などの影響力のある人物が#MeToo運動に参加することで、一般人も声を上げやすい環境づくりに効果を発揮しています。
≫#MeToo運動(ミートゥー運動)とは?きっかけやセクハラや性被害に対する日本や韓国での告発を解説
女性蔑視(ミソジニー)
「女性蔑視」とは、女性に対する憎悪、蔑視、偏見、差別などを含む概念であり、英語では「Misogyny(ミソジニー)」と呼ばれます。
この概念は、単に個人的な感情にとどまらず、社会的、文化的な偏見やステレオタイプに深く根ざしています。
女性への不当な扱いは、侮辱的な言葉や行動、性的嫌がらせ、職場での不平等な扱いや賃金格差など、さまざまな形で表れます。
≫女性蔑視(ミソジニー)とは?世間に蔓延る女性へのステレオタイプ
ジェンダーバイアスとは
ジェンダーバイアスとは、社会的・文化的な意味での性差に対する固定概念や偏見です。
ジェンダーバイアスは、文化、教育、メディア、伝統などさまざまな要因によって形成され、日常生活の中で無意識に行動や判断に影響を与えることがあります。
≫ジェンダーバイアスとは?例を用いて原因や日本の問題点を解説
ジェンダー問題に関するレポート作成で活用できる調査・機関を紹介
ジェンダー問題に関するレポート作成で活用できる調査・機関を紹介します。
ジェンダー・ギャップ指数
ジェンダー・ギャップ指数は、世界経済フォーラムによって毎年発表される、国別のジェンダー平等の度合いを測る指標です。
この指数は、特定の国における男女間の機会と成果の格差を示し、政策立案者や研究者にとっても重要なデータとなっています。
HP:Global Gender Gap Report 2023
日本の高校生のジェンダー・ステレオタイプ意識調査
プラン・インターナショナルは、日本の高校生2000人を対象に、ジェンダーに基づく固定観念・偏見に関するオンライン調査を実施しました。
「性別にとらわれず自由に生きるために~日本の高校生のジェンダー・ステレオタイプ意識調査~」と題するレポートを発表しています。
お茶の水女子大学ジェンダー研究所
お茶の水女子大学ジェンダー研究所は、お茶の水女子大学に設置されている研究機関です。
この研究所は、ジェンダーに関する学際的な研究を行い、ジェンダー平等の促進やジェンダー問題に関する社会的認識の向上を目指しています。
特に、女性の社会進出や性別に基づく差別の問題など、広範囲にわたるテーマに焦点を当てて活動しており、様々な情報を発信しています。
まとめ
ジェンダー問題は多面的で、その解決には教育から始まる広範なアプローチが必要です。
この記事では、ジェンダーの定義から始め、レポートで扱いやすいテーマの選び方、具体的な事例として大学生にとって身近な問題、そして研究やレポート作成に役立つ調査・機関を提供しました。
ジェンダー問題についての深い理解と正しい情報は、社会全体の意識を変えるための第一歩です。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。