この記事のまとめ
スイスは高い生活費・住宅不足、難民・移民の統合、男女間賃金格差、高齢化という4つの社会問題を抱えている。2025年の全国平均空室率は約1%まで低下し、チューリッヒでは1万戸中わずか7戸しか空きがない。
スイスは世界有数の豊かな国として知られ、生活水準の高さでもたびたび話題になります。
しかし、経済的に豊かな国であっても、住宅不足や移民の統合、賃金格差といった社会問題を抱えています。
この記事では、スイス国内で顕著な四つの社会問題にスポットライトを当て、それぞれの問題を解説します。
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スイスが抱える社会問題4選
スイスが抱える社会問題を4つ解説します
高い生活費・住宅不足
スイスでは、住宅の不足が深刻な社会問題となっています。
2025年の全国平均空室率は約1%まで低下し、「住宅危機」とも呼ばれる状況です。
チューリッヒでは1万戸のうちわずか7戸しか空きがなく、ツーク州は0.2%、ジュネーブ州は0.31%と、極端に低い地域もあります。
連邦住宅局によれば、2025年の新築住宅は42,000戸にとどまり、必要とされる50,000戸には届いていません。家計における家賃・光熱費の負担は、平均で支出の約27%を占めています。
参考:Switzerland’s housing shortage: how bad is it?|SWI swissinfo.ch
難民・移民の統合
スイスでは、難民・移民の受け入れと社会統合が課題となっています。
2025年の難民申請数は25,781件で、主な出身国はアフガニスタン、エリトリア、トルコ、アルジェリアです。全体の庇護認定率は38%となっています。
ウクライナ避難民向けの「保護ステータスS」には2025年に12,071件の申請があり、8,319件が認定されました。3年以上滞在するウクライナ人の就労率は約46%にとどまっています。
参考:International Migration Outlook 2025 – Switzerland|OECD
男女間賃金格差
スイスでは、男女間の賃金格差が依然として残っています。
連邦統計局(BFS)によると、2024年の平均賃金格差は15.7%で、2022年の16.2%からはやや縮小しました。中央値ベースでは8.4%です。
管理職に限ると、女性の月給は10,077スイスフランで、男性の11,715スイスフランと比べて14.0%低くなっています。民間部門の格差17.2%のうち、43.7%は統計的に説明のつかない格差とされています。
参考:Wage gap by gender|Federal Statistical Office(連邦統計局)
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高齢化と介護制度の逼迫
スイスでは、高齢化が新たな段階に入っています。
2025年、65歳以上の人口が初めて若年層の人口を上回り、両者ともに総人口の約5分の1を占める歴史的な転換点となりました。65歳以上人口の割合は、2023年の19.61%から2024年には20.02%まで上昇しています。
高齢者は人口の約5分の1にすぎませんが、入院患者全体の50%を占めており、介護人材の不足や、州(カントン)ごとに分かれた制度の分断が課題となっています。
参考:Switzerland’s aging trend deepens|Anadolu Agency
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スイスの社会問題に関わる仕事・キャリア
スイスの住宅不足の問題は、非営利の住宅供給や地域づくりの分野でのキャリアと関わりがあります。
スイス国内には約2,500の住宅協同組合があり、市場家賃より15〜20%安い住宅を非営利で提供しています。
また、高齢化・介護分野では、神経科学とテクノロジーを組み合わせて高齢者のリハビリを支援する「MindMaze」や、チューリッヒを拠点に高齢者向けの住居・介護サービスを展開する「Tertianum」など、テクノロジーと福祉を掛け合わせたキャリアの選択肢もあります。
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スイスの社会問題に対して私たちができること
スイスの社会問題に対して、私たちができることを紹介します。
正しい情報を知り、発信する
住宅不足や男女間賃金格差の背景を知り、周囲の人と共有することも意識を広げる第一歩です。
住宅協同組合など非営利の取り組みに関心を持つ
住宅協同組合のような、非営利で住まいを支える仕組みを知ることも、社会問題への理解を深める一歩になります。
世界が抱える社会問題には何がある?
世界にはさまざまな社会問題があり、日本では考えられないような貧困問題や人身売買、難民問題、紛争などがありますが、日本人である私たちにまったく関係のない問題ではありません。
世界が抱える社会問題については以下の記事で解説します。
また、日本の社会問題を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
まとめ
スイスが抱える問題は、高い生活費・住宅不足、難民・移民の統合、男女間賃金格差、高齢化と多岐にわたります。
この記事を通じて、スイスが直面する主要な社会問題に焦点を当てました。
世界有数の豊かな国であっても、これらの問題は社会のさまざまな側面に影響を与えており、継続的な取り組みが求められています。
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よくある質問(FAQ)
Q. スイスが抱える主な社会問題は何ですか?
A. 高い生活費・住宅不足、難民・移民の統合、男女間賃金格差、高齢化の4つが挙げられます。
Q. スイスの住宅不足はどのくらい深刻ですか?
A. 2025年の全国平均空室率は約1%まで低下しています。チューリッヒでは1万戸中わずか7戸しか空きがなく、新築住宅も年間42,000戸と、必要とされる50,000戸に届いていません。
Q. スイスの男女間賃金格差はどのくらいですか?
A. 2024年の平均賃金格差は15.7%です。管理職に限ると、女性の月給は男性より14.0%低く、民間部門の格差のうち43.7%は統計的に説明のつかない格差とされています。
Q. スイスの社会問題のために個人ができることは何ですか?
A. 住宅不足や男女間賃金格差の背景を知り発信すること、住宅協同組合など非営利の取り組みに関心を持つことなどが挙げられます。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
