近年、多様な背景や価値観を持つ人々が共存し、相互の違いを尊重しつつ活躍できる組織が求められる時代になってきました。
そんな中、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」という考え方が企業経営のキーワードとして注目されています。
しかし、ダイバーシティとインクルージョンは一体何なのでしょうか。
さらに、その取り組みは企業にどのようなメリットをもたらし、それを若い世代、特に学生たちにどう伝えることができるのでしょうか。
この記事では、D&Iの基本知識から、実際の取り組み事例、そのメリット、そして学生への効果的なPR方法までを詳細に解説していきます。
目次
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)とは
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)とは、多様性を認識するだけではなく、一人ひとりを受け入れ、尊重することによって個人の力が発揮できる環境を整備したり、働きかけたりしていく考え方です。
そもそも、ダイバーシティとは・インクルージョンとはなんでしょうか?
ダイバーシティとは
ダイバーシティとは、集団において国籍や年齢、性別、宗教などさまさまな属性が集まる状態です。
日本語に訳すと多様性を意味します。
もともとは、国籍や性別に関わらず、平等な雇用を促進するために広まりました。
しかし、近年では、多様な人材を活用することで生産性や競争力が高まるなどのメリットから積極的に取り組む企業も増えています。
インクルージョンとは
企業におけるインクルージョンとは、多様な人々が個性や特性を十分に活かして企業活動が行われている状態です。
日本語では、包括・包含・一体性などの意味があります。
日本では、インクルージョンの一つとしてインクルーシブ教育が広まっています。
インクルーシブ教育とは、子どもたち一人ひとりが多様であることを前提に、障がいの有無に関係なく、地域の通常学級で学べることを目指す教育方法です。
ダイバーシティとインクルージョンの違い
ダイバーシティとインクルージョンの違いは何でしょうか?
ダイバーシティとは、多様な人材が集まっている状態であり、インクルージョンとは、多様な人材がいる前提で、うまく機能している状態を指します。
つまり、ダイバーシティとインクルージョンがうまく両立することで、効果が生まれるのです。
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ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)施策の5分類
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)施策の5分類を解説します。
女性の活躍推進
女性の活躍推進は、国も推進しており、2016年には「女性活躍推進法」が施行されました。
この法律によって、企業は女性の活躍を推進する義務が生じました。
仕事と子育てや家庭を両立できる環境づくりとして、在宅勤務や時短勤務を導入する企業が増えています。
参考:女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)
外国人採用
グローバル人材の不足や日本の人口減少の関係で、外国人採用にも注目が集まっています。
異なる言語や文化を持つ人々が共に働くには、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の考えが欠かせません。
≫外国人労働者問題とは?日本の現状や問題点、原因をわかりやすく解説
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シニア雇用
少子高齢化が進む中で、シニアの雇用も重要な課題です。
政府は、高年齢者雇用安定法を2021年に改正し、シニア雇用を促進しています。
企業の対応としては、定年延長や再雇用制度、再就職のサポートなどに取り組んでいます。
LGBTQへの理解
LGBTQへの理解もダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を促進する上で欠かせないポイントです。
多様な人々が個性や特性を十分に活かして企業活動するためには、一人一人の自分らしさを尊重する環境づくりが重要になります。
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≫ジェンダーフリーとは?ジェンダーレスとの違いやメリット、取組企業を紹介
障がい者雇用
障害者雇用促進法によって、従業員が一定数を超えると障がい者の法定雇用率が定められます。
障がいのある方が働きやすい環境をつくるだけでなく、個性が発揮できるような業務を分担する工夫などが求められています。
また、マイノリティデザインという言葉があるように、障がいのある方の視点から、新たなサービスや商品が生まれることも増えています。
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ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組み事例
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組み事例を紹介します。
株式会社JobRainbow
https://contents.jobrainbow.jp/corp
株式会社JobRainbowは、日本で初めてのLGBT向けの求人サイトとイベント運営を行う企業です。
すべてのLGBT、すべての人が自分らしく生きられる社会の創造を目指しています。
また、LGBTへの理解促進の事業も展開しています。
ラッシュジャパン合同会社
ラッシュジャパン合同会社は、1995年にイギリスで設立されたハンドメイド化粧品、バス用品メーカーの多国籍企業です。
D&Iに積極的に取り組んでおり、2015年には婚姻関係にないパートナーも家族と認める「パートナー登録制度」を設け、弔事休暇や介護休暇を取得可能になっています。
株式会社資生堂
株式会社資生堂は、化粧品の製造・販売を主な事業とする日本の企業です。
社員の7割が女性ということもあり、ジェンダーフリー委員会を設置するなど積極的にジェンダーフリーの取り組みを行っています。
また、2017年には、日本企業初のUNWomen(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)と契約を結び、啓発活動等の支援を行っています。
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ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に取り組む4つのメリット
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に取り組む4つのメリットを紹介します。
人材の確保
組織の多様性を尊重することで、雇用できる範囲が広まり、優秀な人材の確保が可能になります。
優秀な外国人の採用に繋がったりと、これまでの採用の枠から外れてしまっていた人々を受け入れられます。
今後、日本の人口が減少していく中で、雇用できる人材の幅を広げることはとても重要になるでしょう。
イノベーションが生まれやすい
多様な価値観を持つ人材が集まることで、イノベーションが生まれやすい環境となります。
女性ならではの視点や海外の文化、障がいのある方の抱える不便などから、新たな課題やアイディアが生まれるでしょう。
≫ソーシャルイノベーションとは?日本企業の成功事例や必要性を簡単に解説
離職率の低下
ダイバーシティ&インクルージョンは、離職率の低下にもつながります。
一人ひとりを受け入れ、尊重することによって個人の力が発揮できる環境であれば、退職したいと考える人も減るでしょう。
企業のイメージアップ
ダイバーシティ&インクルージョンが促進された企業は、企業イメージもよくなるでしょう。
社内の取り組みを社外にPRすることでイメージアップになります。
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組みを学生にPRする方法
当メディアCOCOCOLOREARTHでは、100人以上の社会活動家にインタビューを行ってきました。
これまでの信頼や知見を活かして、社会貢献・SDGsに特化した採用PRや企業ブランディング、商品PRなどを独自にPRさせていただいております。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。