2025年度に全国で活動した地域おこし協力隊は8,196人で、前年度から286人増えました(参考:総務省 令和7年度の地域おこし協力隊の隊員数等について)。
企業の社員などが自治体で働く地域活性化起業人も、2025年度は1,215人と過去最高になっています(参考:総務省 地域活性化起業人)。
地方で働いてみたいけれど、いきなり移住するのは不安。
地域おこし協力隊のほかに、どんな選択肢があるのかわからない。
そんな迷いを抱えていませんか。
実は、国には地域で働くための制度がいくつもあります。
数日だけ試せるもの、会社員のまま関わるもの、専門性を生かして自治体の幹部になるものまで、関わり方はさまざまです。
ここでは、地域で働ける国の制度を一覧表で比べ、身分・期間・対象の違いを紹介します。
あわせて、学生・20代の転職希望者・会社に残りたい人・専門職それぞれに合う制度の選び方と、任期が終わったあとのキャリアもお伝えします。
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地域で働ける国・自治体の制度
地域で働く制度は、期間の長さと、誰に雇われるか(身分)で大きく性格が変わります。
| 制度名 | 所管 | 身分 | 期間 | 対象 | 報酬・財政措置の扱い | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ふるさとワーキングホリデー | 総務省 | 受入先の勤務先で働いて収入を得る | おおむね2週間〜1か月 | 学生・社会人(18歳または20歳から。自治体による) | 給料は勤務先から。現地までの交通費は基本自己負担 | 地域の暮らしを短く体験したい学生 |
| おためし地域おこし協力隊 | 総務省 | 体験の参加者 | 主に2泊3日 | 協力隊や移住に関心がある人(移住条件なし) | 国の措置はプログラム経費。参加者の往復旅費は対象外 | 応募前に地域を見ておきたい人 |
| 地域おこし協力隊インターン | 総務省 | 活動の参加者 | 2週間〜3か月 | 協力隊に関心がある人(移住条件なし) | 参加者の活動経費(報償費等)が国の措置の対象 | 長期休みを使いたい学生、転職前の社会人 |
| 地域おこし協力隊 | 総務省 | 自治体から委嘱される | 原則1〜3年 | 都市部から住民票を移す人 | 報償費等の国の措置上限は1人350万円(最大450万円) | 移住して地域の仕事を一から始めたい人 |
| 集落支援員 | 総務省 | 会計年度任用職員または委託 | 地域の実情に応じて弾力的 | 地域の実情に詳しい人 | 国の措置上限は1人あたり専任500万円・兼任40万円 | 地元や住み慣れた地域を支えたい人 |
| 地域プロジェクトマネージャー | 総務省 | 会計年度任用職員 | おおむね1〜3年 | 住民票を移す人(協力隊・起業人の経験者は例外あり) | 国の措置上限は1人700万円 | 調整役としてプロジェクトを動かせる人 |
| 地域活性化起業人(企業派遣型) | 総務省 | 企業に在籍したまま派遣 | 6か月〜3年 | 都市部の企業の社員 | 給与等は原則自治体が負担し、国の措置上限は1人年610万円 | 会社に残ったまま地域で働きたい人 |
| 地域活性化起業人(副業型・シニア型) | 総務省 | 個人と自治体が協定を結ぶ | 6か月〜3年(勤務は月4日以上かつ20時間以上) | 企業に所属する個人、企業を退職したシニア | 国の措置上限は1人200万円(報償費等100万円+旅費100万円) | 本業を続けながら関わりたい人 |
| 地方創生人材支援制度 | 内閣官房・内閣府 | 省庁・企業から派遣され、副市町村長や顧問などに就く | 国家公務員は原則2年、民間は原則半年〜2年 | 国家公務員、大学研究者、民間の専門人材 | 国家公務員の給与は市町村負担、民間は派遣元と派遣先の協議 | 管理職経験や専門性のある人 |
| 自治体の外部デジタル人材(CIO補佐官など) | 各自治体 | 任期付職員、特別職非常勤職員、業務委託など | 任期付は3〜5年以内、特別職非常勤は原則1年以内など | IT・DXの実務経験者 | 報酬は自治体ごとに決まる。市町村が特別職非常勤職員として任用する経費や委託料の7割が国の措置の対象(2029年度まで) | デジタルの専門職 |
| 地域力創造アドバイザー | 総務省 | 市町村が招へいする外部専門家 | アドバイザー1人につき最大3年 | 地域人材ネットの登録者 | 民間専門家の国の措置上限は1市町村あたり年610万円 | 地域づくりの実績を積んだ専門家 |
| プロフェッショナル人材事業 | 内閣府 | 地域企業に就職、または副業・兼業 | 企業による | 企業の経営課題を解く専門人材 | 企業が決める | 地方の中小企業で専門性を生かしたい人 |
| 観光地域づくり法人(DMO) | 観光庁が登録 | 登録法人の職員として就職 | 法人による | 法人による | 法人による | 観光とデータ・マーケティングに関心がある人 |
表の金額は、国が自治体に交付する特別交付税の上限です。
本人の給料や年収そのものではないので、実際の報酬は必ず各自治体の募集要項で確かめてください。
DMOは国の「制度」ではなく、観光庁に登録された法人への就職なので、別の枠として紹介しています。
どの制度も、人口減少や担い手不足といった地方創生の課題に、人の力で向き合うための仕組みです。
まず短期で試す制度
移住や転職を決める前に、数日から数か月だけ地域で働いてみる制度です。
ふるさとワーキングホリデー
ふるさとワーキングホリデーとは、都市部の若者などが一定期間地域に滞在し、働いて収入を得ながら地域の暮らしを体感する総務省の取り組みです。
滞在期間の目安は、おおむね2週間から1か月です。
2025年度は59団体が実施し、877人が参加しました。
2016年4月から2026年3月までの参加者は、合わせて6,856人です(参考:総務省 ふるさとワーキングホリデーについて)。
仕事は農林水産業や旅館・ホテル、小売・飲食などで、勤務先との面談を経て決まります。
申し込みから面談、確定までは約1週間が一般的です。
応募できる年齢は18歳からの自治体と20歳からの自治体があり、現地までの交通費は基本的に自己負担です。
給料の支払い方や宿泊先(社員寮やスタッフ用客室か、自分で手配か)は勤務先によって違います(参考:ふるさとワーキングホリデー よくあるご質問、2026年7月時点)。
一度きりの滞在で終わらせず、その地域と関わり続ける人は関係人口と呼ばれ、ふるさとワーホリはその入口にもなっています。
おためし地域おこし協力隊・協力隊インターン
おためし地域おこし協力隊と協力隊インターンは、協力隊に応募する前に、実際の活動や暮らしを体験できる制度です。
おためしは主に2泊3日で、地域の人との顔合わせや案内、交流会が中心になります。
インターンは2週間〜3か月で、協力隊と同じような地域協力活動に従事します。
どちらも移住の条件はありません(参考:総務省 おためし地域おこし協力隊/地域おこし協力隊インターン)。
2025年度の参加者は、おためしが1,450人、インターンが1,414人でした。
インターンの参加者は2023年度の393人から、2年で3倍以上に増えています。
岡山県笠岡市の採用試験には、2泊3日の滞在を組み込んだ「1.5次試験」があり、その後に面接へ進むかを応募者自身が決めます。
北海道森町では、2024年度に大学生5人がインターンに参加し、うち1人は卒業後に町の協力隊員として活動する予定とされています。
移住して地域に入る制度
住民票を移し、1〜3年ほど地域に住みながら働く制度です。
地域おこし協力隊
地域おこし協力隊とは、都市部から人口減少や高齢化が進む地域に移り住み、地域の活性化に取り組む総務省の制度です。
活動期間は原則1〜3年で、農林水産業や特産品の開発、住民の生活支援など、活動内容は地域ごとに違います。
2025年度は1,187の自治体で8,196人が活動し、20代が33.6%を占めました。
制度の仕組みや任期後のキャリアは、地域おこし協力隊とはの記事で詳しく紹介しています。
集落支援員
集落支援員とは、自治体から委嘱を受け、集落を巡回して状況を把握し、住民どうしの話し合いを支える人です。
2009年度から全国の自治体で導入されています(参考:総務省 集落支援員)。
2025年度は専任が3,270人、自治会長などとの兼任が3,145人でした。
専任の約5割は50代以下、約5割は元会社員・元公務員・元教員で、約9割はそれまで暮らしていた自治体で活動しています(参考:総務省 集落支援員の概要)。
移住が前提の協力隊と違い、地元の事情に詳しい人が担うことの多い制度です。
身分は会計年度任用職員か委託契約で、委嘱の期間は地域の実情に合わせて決められます。
推進要綱では、元地域おこし協力隊員なども望ましい人材として挙げられています(参考:過疎地域等における集落対策の推進要綱)。
地域プロジェクトマネージャー
地域プロジェクトマネージャーとは、自治体の重要なプロジェクトで、外部の専門人材や地域、行政、民間のあいだを橋渡しする「ブリッジ人材」です。
市町村の会計年度任用職員として、おおむね1〜3年、プロジェクトのマネジメントを担います。
協力隊と同じく住民票を移すことが原則ですが、現地に住む協力隊や地域活性化起業人の経験者は移住を求められません。
1つの市町村で任用できるのは2人までです。
2025年度は121市町村で143人が活動しました(参考:総務省 地域プロジェクトマネージャーの概要)。
会社に所属したまま関わる制度
いまの会社を辞めずに、派遣や副業の形で地域の仕事に関わる制度です。
本業を続けながら社会課題に関わる働き方は、社会課題解決×副業のキャリアの記事でも紹介しています。
地域活性化起業人
地域活性化起業人とは、都市部の企業で働く人が、そのノウハウを生かして地方の自治体で一定期間働く総務省の制度です。
期間はどの型も6か月〜3年で、3つの型があります。
企業派遣型は、企業と自治体が協定を結んで社員を送り出す型で、受入自治体での勤務が月の半分以上必要になります。
2024年度に始まった副業型は、会社員が個人として自治体と協定を結ぶ型で、月4日以上かつ20時間以上の勤務と、受入自治体への月1日以上の滞在が要件です。
2025年度には、企業を退職した人向けのシニア型も始まり、勤務日数などの要件は副業型とほぼ同じです。
2025年度は企業派遣型904人、副業型299人、シニア型12人の合計1,215人でした。
企業派遣型を使った企業は475社でした。
株式会社JTBが30人、ソフトバンク株式会社が21人、日本航空株式会社が14人を送り出しています(参考:総務省 令和7年度 地域活性化起業人の状況等)。
自治体と企業・個人をつなぐマッチングプラットフォームもあり、勤め先が制度を使っていなくても、副業型なら個人で関わる道があります。
自治体の外部デジタル人材(CIO補佐官など)
CIO補佐官とは、自治体のCIO(最高情報責任者)を専門的な知見から補佐する外部人材です。
自治体のDXを支える人材の確保の仕方には、任期付職員(3〜5年以内)、特別職非常勤職員(原則1年以内)、事業者や個人への業務委託があります(参考:総務省 外部デジタル人材の確保ガイドブック)。
2024年3月末時点では、佐賀県が情報監(CIO補佐官)を会計年度任用職員として月16日の非常勤で任用し、給与を課長級としていました。
同じ時点で、広島県福山市のCDOは週1回程度の非常勤の業務委託、福井県のDX推進アドバイザー6人も業務委託で、どちらも副業・兼業として勤務していました。
市町村がCIO補佐官等を任用したり業務委託したりする経費には、国の特別交付税措置があります(参考:総務省 市町村のCIO補佐官等の任用等に係る特別交付税措置)。
対象は特別職非常勤職員として任用する場合の報酬や、業務委託の委託料などです。
措置は経費の7割、1つの市町村につき3人分までで、2029年度まで続きます。
これは国から自治体への財政支援で、補佐官本人の報酬額を決めるものではありません。
募集は自治体ごとに行われるので、関心のある自治体の採用情報をこまめに確かめましょう。
エンジニアやデータ職の経験を社会課題に生かす道は、社会課題解決×エンジニア・データ職のキャリアの記事でも紹介しています。
プロフェッショナル人材事業
プロフェッショナル人材事業とは、各道府県のプロフェッショナル人材戦略拠点が、地域企業と専門人材のマッチングを支える内閣府の事業です。
累計のマッチング件数は、2026年3月時点で39,446件です(参考:内閣府 プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト)。
常勤の雇用だけでなく、副業・兼業での関わり方も支援の対象です。
ただし、この事業では職業紹介を行っていません。
転職を考える個人は、民間の人材紹介会社に相談するよう案内されています(参考:プロフェッショナル人材戦略ポータルサイト よくある質問)。
それでも、地方への移住を考える人には知っておく価値があります。
東京23区に住んでいるか通勤している人が、東京圏の外へ移住して就業する場合の移住支援金では、この事業を利用した就業も対象の一つです。
支給額は、世帯で100万円以内、単身で60万円以内で都道府県が定めます(参考:内閣官房・内閣府 移住支援金)。
専門性を生かして関わる制度
行政や民間で積んだ経験を、自治体の幹部やアドバイザーとして生かす制度です。
公務員として社会課題に関わる仕事の中身は、政府機関で社会課題解決に関わるキャリアの記事で紹介しています。
地方創生人材支援制度
地方創生人材支援制度とは、国家公務員や大学研究者、民間企業の社員などを、副市町村長や幹部職員、アドバイザーとして自治体に派遣する制度です。
国家公務員の派遣先は原則人口10万人未満の市町村、民間専門人材は指定都市を除く市町村が対象です。
デジタル専門人材とグリーン専門人材は、都道府県や指定都市なども対象に含まれます。
派遣は自治体の申請をもとに、各省庁や協力企業とのマッチングで決まるため、個人が国に直接応募する仕組みではありません。
2015年度から延べ915人が派遣され、そのうちデジタル専門人材が375人と最も多くなっています。
2026年度の派遣者は94人でした(参考:内閣官房・内閣府 地方創生人材支援制度 全体概要)。
民間の専門人材は、地域活性化起業人の要件を満たせば、両方の制度をあわせて使えます。
地域力創造アドバイザー
地域力創造アドバイザーとは、総務省の「地域人材ネット」に登録された外部専門家の通称です。
登録の対象は、地域づくりの実績がある民間専門家や先進市町村の職員です。
2026年10月更新の一覧には、民間専門家約390人と先進市町村の職員6人が載っています(参考:総務省 地域人材ネット)。
市町村はこの一覧から専門家を探し、年度内に延べ10日以上招いて、指導や助言を受けながら取り組みを進めます。
アドバイザー1人につき最大3年まで、国の特別交付税の対象になります。
国の措置の対象になる経費の上限は、2026年度に1市町村あたり年590万円から610万円へ上がりました(参考:総務省 地域力創造アドバイザー)。
謝金の単価は、国の基準である1時間9,300円が上限です。
登録されているのは、観光振興や移住・定住、まちなか再生などで成果を上げてきた人たちです。
学生や若手がすぐに目指す制度ではなく、ほかの制度や地域の仕事で経験を積んだ先で選ぶ関わり方になります。
観光地域づくり法人(DMO)で働く
DMOは国の制度ではなく、観光庁に登録された法人なので、その職員として就職する形になります。
観光地域づくり法人(DMO)とは、地域の「稼ぐ力」を引き出し、観光地域づくりの司令塔として戦略を立てて実行する法人です。
観光庁は、データの収集・分析と戦略づくり、観光資源の磨き上げや受入環境の整備、関係者との合意形成などをDMOの役割に挙げています(参考:観光庁 観光地域づくり法人(DMO)とは)。
2026年9月1日現在、広域連携DMOが10法人、都道府県DMOが38法人、地域DMOが274法人登録されています。
北海道と沖縄県は1つの法人が広域連携DMOと都道府県DMOを兼ねているため、登録DMOは合わせて320法人です。
ほかに、候補DMOが21法人あります(参考:観光庁 観光地域づくり法人(DMO)登録一覧)。
登録の有効期間は3年で、更新するには観光庁の指定する研修の受講も要件になります。
CEOなどは毎年1人以上、CMOやCFOなどの中核・実務人材は更新の申請までに3人以上が受講します(参考:観光庁 観光地域づくり法人(DMO)の登録)。
こうした役割から、DMOにはデータ分析やマーケティング、地域の事業者との調整を担える人が求められます。
採用は法人ごとに行われるので、働きたい地域のDMOのウェブサイトで募集を確かめましょう。
観光で地域の環境や文化を守る考え方は、サステナブルツーリズムとはの記事で紹介しています。
自分に合う制度の選び方
どの制度が合うかは、いまの立場と、地域にどれくらいの時間を使えるかで変わります。
学生
学生は、まずふるさとワーキングホリデーや協力隊インターンで、短く地域を体験するところから始めるのがおすすめです。
夏休みや春休みの2週間〜1か月を使えば、授業を休まずに参加できます。
インターンをきっかけに、卒業後にその町の協力隊員になる人もいます。
転職を考えている20代
転職を考えている20代は、地域おこし協力隊が有力な選択肢です。
2025年度の隊員のうち、3人に1人は20代でした。
応募の前に、おためし地域おこし協力隊で現地の人や暮らしを確かめておくと、着任後のずれを減らせます。
会社に残りたい人
会社に残りたい人は、地域活性化起業人の企業派遣型や副業型が合っています。
勤め先が制度を使っているかを人事部門に確かめ、使っていなければ副業型を検討するとよいでしょう。
専門職・管理職の経験がある人
専門職・管理職の経験がある人は、地域プロジェクトマネージャーや自治体の外部デジタル人材、地方創生人材支援制度で力を発揮できます。
プロジェクトを動かした経験やデジタルの専門性は、自治体がとくに外部に求めている力です。
制度を使わずに地域の企業へ転職する道もあり、地方創生に関わる業界や職種は地方創生・まちづくりに携わる仕事の記事で紹介しています。
任期が終わった後のキャリア
任期が終わったあとも、その地域で働き続ける道はいくつもあります。
総務省の調査(2025年5月1日時点)では、2020〜2024年度に任期を終えた隊員8,762人のうち、約7割(70.3%)が活動地または近隣の市町村に定住しています(参考:総務省 令和7年度の地域おこし協力隊の隊員数等について)。
任期後の主な道は、次の3つです。
1つ目は、その地域に定住して、集落支援員や地域プロジェクトマネージャーなど別の制度で地域に関わり続ける道です。
集落支援員の推進要綱は元協力隊員を望ましい人材に挙げ、地域プロジェクトマネージャーも現地に住む協力隊経験者には移住を求めていません。
2つ目は、起業や事業承継です。
協力隊員が任期2年目から任期終了後3年以内に起業や事業承継をする場合、その経費に国の特別交付税措置があります(1人100万円、最大200万円。参考:総務省 地域おこし協力隊とは)。
3つ目は、地域の企業への就職です。
地方創生に取り組む企業は地方創生に取り組む企業10選で、求人の探し方は地方創生に取り組む企業が見つかる求人サイト5選で紹介しています。
地域で働いている人の声
COCOCOLOR EARTHがインタビューした人のなかから、地域おこし協力隊を選んだ2人と、制度を使わずにUターンして地元で働く道を選んだ2人を紹介します。
藤江開生さんは、立教大学を卒業してすぐ、宮崎県椎葉村の地域おこし協力隊になりました。
決め手は、大学4年生の9月に参加した2週間のインターンで、村の空気や職場の人間関係を確かめられたことだったそうです。
2023年から図書館司書として働き、村の資料の保存や住民のライフヒストリーの聞き書きに取り組んできました。
新卒で協力隊を選んだ理由と任期後の進路は、藤江開生さんのインタビューで読めます(2026年3月時点)。
篠原智昭さんは、神奈川県の教育行政職員、難病支援の一般社団法人の専従理事、バイオベンチャーの立ち上げなどを経て、香川県の小豆島へ移住しました。
取材当時は地域おこし協力隊として小豆島観光協会でフルタイムで働きながら、車いすでも旅行を楽しめる環境づくりに取り組んでいました。
公務員やベンチャーを経て協力隊を選ぶまでの歩みは、篠原智昭さんのインタビューで読めます。
倉田麻里さんは、環境NPOの駐在員としてフィリピンのネグロス島で9年間働いたあと、2017年に地元の三重県津市白山町へUターンしました。
2019年にゲストハウス・イロンゴを開き、若者の移住を後押しする団体「Landing in HAKUSAN」も立ち上げています。
地域の交流拠点づくりの話は、倉田麻里さんのインタビューで読めます(2021年取材)。
安藤龍之介さんは、株式会社LIFULLを2024年に退職し、地元の大分県で独立しました。
その後、地方企業の採用を支援する株式会社キャリア・ウィーバーに加わり、取材当時は26歳で代表を務めていました。
地方の採用の課題に挑む理由は、安藤龍之介さんのインタビューで読めます。
よくある質問
地域で働く制度について、よく寄せられる質問にお答えします。
Q. 学生でも地域で働く制度に参加できますか?
A. 参加できます。ふるさとワーキングホリデーは学生も社会人も参加でき、18歳から応募できる自治体と20歳からの自治体があります。おためし地域おこし協力隊は主に2泊3日、協力隊インターンは2週間〜3か月で、どちらも移住の条件はありません。2025年度にはおためしに1,450人、インターンに1,414人が参加しました。夏休みや春休みを使って地域の仕事を体験し、卒業後の進路を考える材料にする学生もいます。まずは気になる地域の募集を探してみてください。
Q. 住民票は移す必要がありますか?
A. 制度によって違います。地域おこし協力隊と地域プロジェクトマネージャーは、都市部から住民票を移すことが原則です。ただし、地域プロジェクトマネージャーは、現地に住む協力隊や地域活性化起業人の経験者なら移住を求められません。ふるさとワーキングホリデーやおためし地域おこし協力隊、協力隊インターンは移住の条件がなく、地域活性化起業人も会社に在籍したまま派遣や副業で関われます。応募する前に、募集要項で要件を確かめておきましょう。
Q. 地域で働く制度の収入はどれくらいですか?
A. 制度と自治体によって大きく違います。制度の説明でよく見る500万円や700万円といった金額は、国が自治体に出す特別交付税の上限で、本人の給料ではありません。ふるさとワーキングホリデーの給料は勤務先から支払われ、地域活性化起業人の企業派遣型は、企業と自治体の協定で給与の扱いが決まります。協力隊などの報酬額は、自治体ごとの募集要項に書かれています。気になる募集を見つけたら、報酬だけでなく住居や活動費の扱いもあわせて確かめておきましょう。
Q. 地域おこし協力隊とほかの制度の違いは何ですか?
A. いちばんの違いは、移住の要否と身分です。地域おこし協力隊は都市部から住民票を移し、原則1〜3年、自治体の委嘱を受けて地域の活動に取り組みます。集落支援員は地元の事情に詳しい人が担うことが多く、地域プロジェクトマネージャーはプロジェクトの調整役として任用されます。地域活性化起業人は、主に会社に在籍したまま派遣や副業で関わる制度です。ふるさとワーキングホリデーやおためしは短期の体験なので、協力隊に応募する前の下見として使えます。
まとめ
地域で働く制度は、数日だけ試すものから、移住して数年働くもの、会社員のまま関わるもの、専門家として招かれるものまで、いくつもの形があります。
まずは、地域にどれくらいの期間を使えるか、移住できるかを考えてみてください。
そのうえで、ふるさとワーキングホリデーや協力隊インターンなど、短く試せる制度から一歩を踏み出してみるのも一つの方法です。
地方創生に取り組む企業は、ココキャリアで探すことができます。
今回紹介した人たちも、最初から今の働き方を決めていたわけではなく、インターンや転職、Uターンを重ねながら地域との関わり方を見つけてきました。
あなたの関心と暮らし方に合った制度で、地域との関わりを始めてみてください。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
