世界中の都市部に広がるスラムは、貧困、教育不足、健康問題など、多くの社会的課題の象徴です。

これらの地域は経済的困難に直面している人々が集まり、しばしば基本的なサービスやインフラの不足に苦しんでいます。

しかし、スラムの問題は単に発展途上国に限られたものではなく、先進国にも存在しています。

この記事では、スラムの概要や地域、私たちができることなどについて詳しく解説します。

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スラムとは?

スラムとは、都市部にて貧困層が密集して生活する区域のことを指します。

スラムに暮らす人々は貧しい生活を送るだけでなく、子どもが教育を受けられない、必要としている人が医療を受けられない、公共サービスを受けられないなど、さまざまな問題があるのです。

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ドヤ街との違いは?

ドヤ街とは、日本において日雇い労働者が多く生活する簡易宿泊街のことを指します。

ドヤ街の”ドヤ”は、”宿(やど)”を逆さにしたことから呼ばれるようになったと言われています。

高度経済成長期の日本にはドヤ街が多くあると言われており、東京都の台東区と荒川区にまたがる「山谷(さんや)」、大阪府大阪市の「西成区(にしなり)」、神奈川県横浜市の「寿町(ことぶきちょう)」が日本三大ドヤ街です。

スラム街とドヤ街のどちらも貧困層が暮らす区域という共通点はありますが、ドヤ街は公共サービスやインフラなどが整っているという環境の違いがあります。

スラムの現状は?

スラムの人口は年々増加していることが現状です。

2000年時点で7億6000万人と言われていたスラム人口は2013年には8億9000万人まで増加したと言われており、今後もさらに人口は伸び続けると予想されています。

参照:三菱総合研究所「進む都市化とHabitat3」


スラムはどこの国にある?

スラムがある主な発展途上国は以下の通りです。

・ケニア
・インド
・ブラジル
・ハイチ
・ホンジュラス

それぞれの発展途上国のスラムについて、以下で詳しく解説します。

ケニア

ケニアには「キベラスラム」と呼ばれるスラム街があります。

キベラスラムは”アフリカ最大のスラム街”と言われており、首都ナイロビ近郊の巨大なスラム街には100万人以上が生活してると言われています。

インド

インドには「ダラヴィスラム」と呼ばれるスラム街があります。

アジア地域には数多くのスラム街が存在しますが、その中でもインドの「ダラヴィスラム」の規模は最大級と言われています。

ダラヴィスラムが位置するムンバイには2000万人を超える人口があると言われているインド最大の都市ですが、ダラヴィスラムには100万人ほどが生活していると言われているのです。

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ブラジル

ブラジルには「ファヴェーラ」と呼ばれるスラム街があります。

ファヴェーラは貧困区域の総称を指すため、一区画に集中しているわけではなく、都市近郊の至るところに存在するスラム街です。

ファヴェーラのなかでも最大級と言われているのがリオデジャネイロのファヴェーラとなっており、人口集中率が非常に高いことで知られています。

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ハイチ

ハイチには「シティソレイユ」と呼ばれるスラム街があります。

シティソレイユは世界でもっとも治安の悪いスラム街と呼ばれることもあり、30以上のギャンググループが存在していると言われているのです。

ホンジュラス

ホンジュラスには「サンペドロスーラ」と呼ばれるスラム街があります。

サンペドロスーラは街全体がスラム街のようになっているため、世界トップクラスの治安の悪い街としても知られています。


スラムは先進国にもある

スラムは以下のような先進国にも存在します。

・スペイン
・アメリカ

それぞれの先進国のスラムについて、以下で詳しく解説します。

スペイン

スペインのマドリードには「カニャダ・レアル」と呼ばれるスラム街があります。

ヨーロッパ最大級のスラム街と呼ばれており、セクター1〜6に分かれており、数字が大きくなるほど危険な地域に設定されています。

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アメリカ

アメリカのミシガン州には「デトロイト」と呼ばれるスラム街があります。

デトロイトは自動車の街として栄えていましたが、日本車やドイツ車の台頭から衰退してしまい、その後はゴーストタウンとなってしまったのです。

現在のデトロイトにはスラム街が形成されており、治安の悪い都市としても知られています。

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スラムができる原因とは?

スラムができる原因は以下の通りです。

・仕事を求めて都市部に移住すること
・教育格差が存在すること
・難民が移動してくること

それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。

仕事を求めて都市部に移住すること

農村や貧しい地域から仕事を求めて都市部に移住してきたものの、職につくことができなかった結果、スラム街を形成することになります。

教育格差が存在すること

途上国では教育格差が問題視されており、まともに教育を受けられなかった人は文字の読み書きもままならないケースが多いため、スラム街に行かざるを得ないのです。

難民が移動してくること

紛争や戦争などによって安全な地域を求めた難民が居場所を失いスラムを形成するケースも多いです。

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スラムをなくすために私たちができること

スラムをなくすために私たちができることは以下の通りです。

・フェアトレード商品を購入するようにする
・支援団体に寄付をする
・ボランティアに参加する

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

フェアトレード商品を購入するようにする

過酷な環境で労働させられている人が作った商品ではなく、公正に取引されているフェアトレード商品を選ぶようにすることで、過酷な環境が改善されることにつながります。

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支援団体に寄付をする

NPOやNGOなどの団体ではスラム問題を解決するために行動している団体もあります。

そのような団体に支援金を送ることでスラムをなくすことに協力できるのです。

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ボランティアに参加する

実際に行動したいという方はボランティアに参加することでスラム問題に直接的に関わることができます。


まとめ

スラム問題への理解を深めることは、私たちが直面している世界的な課題への対処の第一歩です。

スラムが存在する背景には多様な要因が絡み合い、それぞれの国や地域で異なる状況があります。

また、発展途上国だけでなく、先進国にも見られるスラム問題には、地域社会や国際社会が一丸となって取り組む必要があります。

フェアトレード商品の購入、支援団体への寄付、ボランティア活動への参加など、私たち一人ひとりができるアクションは多岐にわたります。

スラムをなくし、すべての人にとってより良い未来を実現するために、今、私たちにできることを始めましょう。