海面上昇は島国が直面する大きな問題として知られているため、日本も例外ではありません。
とはいえ、日本において海面上昇によって甚大な被害が出ている地域がほとんどないため、どのような影響があるのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、海面上昇の原因や現状、対策などについて詳しく解説します。
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目次
海面上昇とは?
海面上昇とは、海面の平均水位が高くなることです。
海面上昇が起こることで、海に近い地域や海抜の低い島国は甚大な被害を受けることが予想されており、実際に海面上昇によって生活が脅かされている国々も存在します。
海面上昇が起こる原因は?
海面上昇が起こる原因は、海水の温度上昇による膨張と氷河や氷床の融解であると言われています。
また、海水の温度上昇の原因となるのが、二酸化炭素排出によって引き起こされる地球温暖化です。
参照:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)「2-2 海面上昇の影響について
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海面上昇の現状
ここでは、海面上昇の現状について、日本と海外のそれぞれについて詳しく解説します。
日本の海面上昇
日本における海面上昇について、気象庁は以下のように発表しています。
”2022年の日本沿岸の海面水位は、平年値(1991~2020年平均)と比べて63mm高く、統計を開始した1906年以降で2021年の71mmに次いで2番目に高い値でした。”
日本の海面上昇の原因としては、地球温暖化だけではなく、黒潮による暖水が流れ込んできたことが原因のひとつと言われています。
また、日本国内の海面上昇においては、海面が1m上昇すると砂浜の9割以上が失われると予測されており、高潮災害だけでなく、砂浜を産卵場所や餌場にしている生態系への影響も危惧されているのです。
参照:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)「2-2 海面上昇の影響について
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海外の海面上昇
世界中で問題視されている海面上昇ですが、海抜の低いフィジー諸島共和国、ツバル、マーシャル諸島共和国などの国々では、高潮による甚大な被害が報告されています。
これらの国々では、潮が満ちたときに海水が住宅や道路に溢れてきてしまうほか、畑や井戸にまで海水が到達することもあり、食料や飲料水にも多大な影響が出ているのです。
参照:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)「2-2 海面上昇の影響について
海面上昇の対策3選
海面上昇の主な対策は以下の通りです。
・海岸付近の設備を強化する
・地球温暖化対策に取り組む
・再生可能エネルギーの導入
それぞれの対策について、以下で詳しく解説します。
海岸付近の設備を強化する
海面が上昇する原因は地球温暖化だけではなく、黒潮などの影響もあるため、完璧に予想するのは困難です。
そのため、万が一に備えて海岸付近に防波堤や護岸、水門などの設備を設置・強化することが必要です。
地球温暖化対策に取り組む
すでに世界中で地球温暖化への対策は実行されていますが、海面上昇の対策として地球温暖化に取り組むことは重要です。
具体的な対策について定められているのは、2015年に合意された「パリ協定」で、このなかで日本は2030年までに2013年に比べて26%の二酸化炭素排出削減を目標に掲げています。
再生可能エネルギーの導入
化石燃料に代わるエネルギーとして、太陽光や風力、水力などの再生可能なエネルギーを使用することで二酸化炭素の排出を抑えることができ、結果として海面上昇の対策にも繋がります。
日本では再生可能なエネルギーの導入においてさまざまなトラブルが発生していることから否定的な意見が多いですが、アメリカやイギリスなどの欧米諸国では100%再生可能なエネルギーを使用することを目標に掲げている地域もあります。
海面上昇の問題に取り組む企業3選
海面上昇の問題に取り組む企業を紹介します。
アスエネ株式会社
https://earthene.com/corporate
アスエネ株式会社は、「次世代によりよい世界を」をビジョンに気候変動 × テクノロジー事業に取り組むベンチャー企業です。
CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスゼロ」、再生可能エネルギー調達支援サービス「アスエネ」の事業などを展開しています。
booost technologies株式会社
booost technologies株式会社は、「ENERGY X GREEN」など、 企業の脱炭素化の加速に貢献できるクラウド型システムを提供する企業です。
人類史上最大の課題である「気候変動」の解決に挑み、NET-ZEROリーダー/ESGリーダーの脱炭素化を加速させるサービスを提供しています。
株式会社自然電力
株式会社自然電力は、太陽光・風力・小水力等の自然エネルギー発電所の発電事業を行うエネルギー企業です。
2011年3月11日の震災の3ヶ月後、創業メンバー3人によって日本で設立されました。
未来の地球で人々が幸せに暮らし続けることができるように、自然エネルギーへの転換に取り組み「自然エネルギー100%の世界」を目指しています。
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海面上昇に対して私たちができること3選
海面上昇に対して私たちができることは以下の通りです。
・海面上昇について知る
・公共交通機関を利用する
・自然保護団体に寄付をする
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
海面上昇について知る
まずは、日本および世界中で海面上昇が深刻な問題になっていることを知ることが大切です。
公共交通機関を利用する
海面上昇の大きな要因として地球温暖化が挙げられるため、できる限り公共交通機関を利用して二酸化炭素排出を減らしておくことが、国民一人ひとりにできることです。
自然保護団体に寄付をする
海面上昇の直接的な対策はできることが少ないため、自然保護団体に寄付をして活動を支援することもできます。
「グリーンピース・ジャパン」や「FoE Japan」、「日本自然保護協会」などのNGO団体が自然保護活動をしていますので、気になる方はチェックしてみてください。
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まとめ
海面上昇は、単なる将来の問題ではなく、現在進行形で影響を与えている現実です。
対策は、国際的な協力、政策の策定、技術革新、そして個人の生活様式の変更を含む幅広いアプローチを必要とします。
海岸の保護、温暖化ガス排出量の削減、再生可能エネルギーへの移行は、海面上昇とその影響に効果的に対処するための鍵となります。
最終的には、私たち一人ひとりが環境に対して持つ影響力を理解し、責任ある選択をすることが大切です。
この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。