UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、2025年末時点で、紛争や迫害によって故郷を追われた人は世界で1億1,780万人にのぼります。
これは、世界の70人に1人にあたる数です。
その人たちを守る国連機関が、UNHCRです。
「難民支援の仕事がしたい。UNHCRで働くにはどうすればいいんだろう」。
そう考えて調べ始めると、UNHCRと国連UNHCR協会の違いや、どの入り口から応募できるのかがわかりにくいですよね。
ここでは、UNHCR職員の種類と仕事、採用ルート、求められる学歴・経験・語学、現場中心の働き方、日本人職員の現状を紹介します。
後半では、2025年以降の資金不足による人員削減の状況と、UNHCRに入らなくても難民問題に関われる道も取り上げます。
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UNHCRとは
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とは、紛争や迫害で故郷を追われた人々を国際的に保護し、支援する国連機関です。
1950年12月の国連総会で事務所の規程が採択され、1951年1月1日に活動を始めました(参考:UNHCR駐日事務所)。
本部はスイスのジュネーブにあり、1954年と1981年にノーベル平和賞を受賞しています。
2026年9月時点で、UNHCRは122か国で活動しています(参考:UNHCR)。
UNHCRが取り組む社会課題
UNHCRが守る対象は、国外に逃れた難民だけではありません。
庇護希望者、自分の国の中で避難している国内避難民、どの国の国籍ももたない無国籍者も含まれます。
2025年末時点の内訳は、難民が4,160万人、国内避難民が6,870万人、庇護希望者が900万人です。
ミャンマーから隣国バングラデシュなどに逃れたロヒンギャ難民も、UNHCRが支援している人々です。
活動の中心は、難民の権利を守る「保護」、シェルターや水、食料などを届ける緊急支援、そして帰還や第三国定住などの「恒久的解決」です。
日本にも難民として保護を求める人がいて、出入国在留管理庁によると、2025年に日本で難民と認定された人は187人でした。
日本の受け入れの現状は、日本の難民問題の記事で解説しています。
国連難民高等弁務官とUNHCR駐日事務所
UNHCRのトップである国連難民高等弁務官は、イラク出身のバルハム・サーレハ氏です。
2025年12月18日に国連総会で選ばれ、2026年1月1日に第12代の高等弁務官に就任しました(参考:UNHCR)。
前任は、2016年から10年間務めたフィリッポ・グランディ氏です。
日本には、1979年8月1日に開設されたUNHCR駐日事務所が東京都港区南青山にあります。
駐日事務所は、日本政府への提言や難民認定に関する研修を行う法務、政府やJICA、企業との連携を進める渉外、広報の3つの仕事を担っています(参考:UNHCR駐日事務所)。
日本にいる難民申請者一人ひとりへの支援は、パートナーである認定NPO法人難民支援協会を通じて行っています。
UNHCRと国連UNHCR協会の違い
「UNHCRで働きたい」と調べると、国連UNHCR協会の求人が見つかることがあります。
名前は似ていますが、UNHCRと国連UNHCR協会は別の組織で、働き方もまったく違います。
| UNHCR(本部・各国事務所) | UNHCR駐日事務所 | 国連UNHCR協会 | |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 国連機関 | UNHCRの日本の事務所 | UNHCRを支える日本の公式支援窓口 |
| 法人格 | 国際機関 | 国際機関の事務所 | 特定非営利活動法人(認定NPO法人) |
| 主な仕事 | 難民の保護・緊急支援・恒久的解決 | 法務・渉外・広報 | 民間からの寄付集め・広報 |
| 雇用 | 国際公務員などとして採用 | 空きが出たときのみ募集 | 日本の法人として採用 |
国連UNHCR協会は、2000年10月に設立された日本の特定非営利活動法人(認定NPO法人)です(参考:JICA PARTNER)。
UNHCRの活動資金は各国政府の拠出と民間の寄付でまかなわれており、協会は日本の個人や企業からの寄付を集める役割を担っています。
協会では、商業施設や駅前で難民の現状を伝え、継続的な寄付を呼びかけるファンドレイザーを契約社員として採用しています(参考:国連UNHCR協会)。
協会で働くことはUNHCR職員になることとは違いますが、難民支援の資金を生み出す仕事として、日本にいながら関われる道の一つです。
NPOやNGOという組織の違いは、NGO(非政府組織)とはの記事でまとめています。
UNHCR職員の種類と仕事
UNHCR職員の仕事は、難民の法的な保護、地域での支援、広報、保健など、幅広い分野に分かれています。
職員の区分は、大きく4つです(参考:UNHCR)。
国際専門職
国際専門職は、世界中から採用され、現場の事務所やジュネーブ本部、アンマン・ブダペスト・コペンハーゲンのグローバルサービスセンターで働く職員です。
定期的に勤務地を移る「ローテーション」が前提で、原則として自分の国籍のある国では働きません。
初めて採用されるときの勤務地も、国籍のある国以外になります。
ナショナル・プロフェッショナル・オフィサー
ナショナル・プロフェッショナル・オフィサーは、自分の国籍のある国で、その国の事情に通じた専門職として働く職員です。
勤務地を移るローテーションはありません。
一般職
一般職は、事務所のある国で現地採用され、事務や運営で仕事を支える職員です。
その国に合法的に滞在していることが応募の条件です。
フィールドサービス職員
フィールドサービス職員は、主に一般職の職員が国際経験を積むための臨時の国際ポストで、内部でのみ募集されます。
勤務地は、生活環境の厳しい場所や家族を帯同できない場所が多くなっています。
難民を守る保護・プログラムの仕事
UNHCRの仕事の中心は、難民の権利を守る「保護」です。
難民登録や難民認定の手続きの支援、子どもや女性など弱い立場に置かれた人の保護、地域社会と一緒に支援を組み立てる仕事などがあります。
支援の計画を立て、パートナーのNGOと事業を進める「プログラム」の仕事もここに含まれます。
人権や難民法の知識が土台になるため、人権問題への理解も欠かせません。
運営を支える仕事
UNHCRには、物資の調達や輸送、財務、人事、IT、広報など、組織を動かす仕事もあります。
緊急事態では、テントや毛布などの物資を短期間で現場に届ける必要があり、調達や物流の専門性が生きます。
国際機関で社会課題に関わる仕事の全体像は、国際機関で社会課題解決に関わるキャリアの記事で紹介しています。
UNHCR職員になるルート
UNHCRで働くための入り口は、大きく5つあります。
対象となる人と応募の窓口が、それぞれ異なります。
空席公募
空席公募は、空いたポストごとに職員を募集する方法で、ほぼすべての募集はUNHCRの採用サイトに掲載されます。
国際専門職のポストは、まず内部の職員で埋めることが優先され、適任者がいない場合に外部に公開されます。
緊急事態に対応する臨時の契約もあり、期間は最長729日です。
UNHCRは、よく募集する職種の候補者をあらかじめ登録しておく「エバーグリーン」という人材名簿をもっています。
ただし応募が多かったため、2026年2月時点では新しい応募の受付を一時的に止めていました。
JPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)
JPOは、各国政府が費用を負担して、自国の若手を国際機関に送り出す制度です。
UNHCRのJPOは多くが25〜35歳で、P2という若手の専門職として採用されます(参考:UNHCR)。
2025年6月時点では、15か国の政府が支援する約60人のJPOを毎年受け入れ、任期を終えた人の約69%が正規職員として残っていました。
日本の場合、外務省のJPOは35歳以下で修士号と2年以上の職歴をもつ人が対象で、派遣期間は2年間です(参考:外務省国際機関人事センター)。
派遣が終わっても自動的に正規職員になれるわけではなく、空席ポストに応募して採用される必要があります。
国連WFPの例ですが、COCOCOLOR EARTHがインタビューした並木愛さんも、JPOを経て正規職員になった一人です。
並木さんはコンサルティング会社を経て、2017年に国連ボランティアとしてジンバブエの国連WFPに参加しました。
その後、JPOとしてルワンダ事務所で3年間働き、2021年に国連WFPの正規職員の試験に合格しました。
JPOの選考に向けては、合格者20人ほどに連絡を取り、助言を受けながら書類と面接の準備をしたそうです。
合格までの準備の進め方は、国連WFP並木愛さんのインタビューで読めます。
国連ボランティア
UNHCRは、国連ボランティア計画(UNV)を通じて国連ボランティアを受け入れています。
最低年齢は、ユースボランティアの18歳から、専門家ボランティアの35歳まで、種類によって異なります。
募集と応募はUNHCRの採用サイトではなく、UNVのサイトで行います。
インターンシップ
UNHCRのインターンシップは、大学で2年以上学んだ学生か、卒業後2年以内の人が応募できます。
英語はB2以上の力が必要で、期間は通常2〜6か月、フルタイムなら通算8か月までです。
ほかから資金援助を受けていないインターンには、食費や交通費の一部を補う手当が出ます。
手当の額は、本部などの「H」に分類される勤務地では現地の一般職(GS3)の月給の50%、それ以外の勤務地では70%です。
医療保険は自分で用意する必要があります。
UNHCR駐日事務所でも、法務・渉外・広報・総務などの部署でインターンを受け入れてきました(参考:UNHCR駐日事務所)。
COCOCOLOR EARTHがインタビューしたIMさんは、人材系の会社でキャリアアドバイザーとして働いたあと、イギリスのサセックス大学の大学院に進みました。
留学を終えるころの2023年8月から2024年1月までは、UNHCR駐日事務所でインターンを経験しています。
大学院での研究テーマは日本における難民の社会統合で、取材当時は難民支援のNPOで働いていました。
社会人から大学院に進んだ費用や時間のやりくりは、社会人大学院生IMさんのインタビューで読めます。
コンサルタント
UNHCRは、組織の中にない専門知識が必要なときに、コンサルタントと契約を結びます。
1回の契約は連続11か月までで、36か月のうち最長24か月まで働けます。
職員としての採用ではありませんが、専門分野での実績を生かしてUNHCRの仕事に関わる入り口になります。
UNHCR職員に求められる学歴・経験・語学
UNHCRが職員に求める条件は、ポストごとの募集要項で決まります。
UNHCRの採用ページに載っている共通の条件は、次のとおりです。
学歴
UNHCRは、職員に少なくとも学士号を求めています。
JPOでは、学士号なら4年以上、修士号なら2年以上の関連する職務経験が必要です。
UNHCRがJPOに特に求める専門分野は、法律、行政学、社会科学です。
職務経験
職務経験は、応募するポストの仕事に関連したものが求められます。
NGOや政府機関で難民支援や人道支援に関わった経験は、応募するときの強みになります。
国際協力のキャリアをどの順番で積むかは、国際協力キャリアロードマップが参考になります。
語学
英語ができることは必須で、ポストによってはほかの国連公用語も求められます。
国連公用語は、英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・中国語・アラビア語の6つです。
中東ではアラビア語、西アフリカや中部アフリカではフランス語が広く使われているため、これらの言語が使えると働ける勤務地の幅が広がります。
UNHCR職員の働き方は現場が中心
2025年2月時点で、UNHCRの職員約18,700人のうち、およそ9割が本部ではなく現場の事務所で働いていました(参考:UNHCR)。
採用ページでも、生活環境の厳しい勤務地や緊急事態の現場で働く意思があることを、求める人材の条件に挙げています。
ハードシップ地と家族を帯同できない勤務地
国連では、勤務地を生活の厳しさによって分類しています(参考:国際人事委員会)。
本部などの勤務地は「H」、それ以外はA〜Eの5段階で、Eがもっとも厳しい勤務地です。
分類では、治安、医療、住まい、気候、孤立の度合い、生活の便利さが考慮されます。
さらに、治安上の理由で家族の滞在が6か月以上認められない勤務地は、家族を帯同できない勤務地に指定されます(参考:国際人事委員会)。
国際専門職はローテーションがあるため、こうした勤務地と比較的暮らしやすい勤務地を行き来しながらキャリアを積みます。
ハードシップ地で働く国連職員の例
先ほど紹介した国連WFPの並木愛さんは、取材当時、スーダン事務所でジェンダー・受益者保護官として働いていました。
前の年にクーデターが起きたばかりで、デモが日常の一部になり、夏は気温が50度近くになる環境だったそうです。
そうした中で、女性や子ども、障がいのある人が安全に支援を受けられるようにする仕事を担っていました。
現場で働く覚悟と、それを支える生活の準備は、UNHCRを目指す人にも欠かせません。
並木さんが働いていた現場の様子は、国連WFP並木愛さんのインタビューで読めます。
2022年末時点の日本人専門職員は80人
2022年末時点のUNHCRの職員は20,739人で、そのうち国際専門職員は4,405人でした(参考:外務省)。
日本人の専門職員は80人で、そのうち幹部は6人です。
国連関係機関全体では、2024年末時点で979人の日本人が働いており、そのうち476人がJPOの出身です(参考:外務省国際機関人事センター)。
UNHCRの国際専門職は原則として自分の国籍のある国では働かないため、日本人職員の多くは日本以外の国で働いています。
駐日事務所は定期的な採用を行っておらず、ポストに空きが出たときに募集を出します。
日本でUNHCRに関わりたい人にとっては、インターンや、後半で紹介する難民支援の団体で経験を積むことが現実的な入り口です。
2026年1月までに職員ポストは6,600減少
UNHCRを目指すなら、資金不足による人員削減も知っておく必要があります。
UNHCRは2025年6月16日、各国からの資金が大きく減ったことを受けて、組織の見直しを終えたと発表しました(参考:UNHCR)。
約3,500の職員ポストを廃止し、ジュネーブ本部と地域局の幹部ポストを50%近く減らす内容です。
臨時で働いていた数百人もUNHCRを離れ、人件費は全体で約30%減る見込みとされました。
UNHCRの2025年の年次報告によると、2026年1月までに職員の規模は3分の1以上、ポスト数にして6,600減りました。
2025年に使えた資金は前年より12億4,600万ドル少ない39億3,200万ドルで、必要な額の37%しか賄えませんでした。
2024年は48%だったので、1年で大きく下がりました。
ポストが減れば空席公募の数も少なくなり、競争は厳しくなります。
UNHCRだけを目標にせず、難民支援に関わる別の職場で経験を積みながら機会を待つ姿勢が大切です。
UNHCR以外で難民問題に関わる道
難民問題に関わる方法は、UNHCRで働くことだけではありません。
UNHCRと一緒に動く組織で経験を積めば、将来UNHCRに応募するときの実務経験にもなります。
国際機関・JICA・NGO・民間企業・起業という入り口の比べ方は、国際協力を仕事にするとは?の記事にまとめています。
国際機関・政府機関
難民や移住の問題には、IOM(国際移住機関)や国連WFPなど、UNHCR以外の国際機関も取り組んでいます。
日本の政府機関では、JICA(国際協力機構)がUNHCRと40か国以上で連携事業を行ってきました(2024年3月時点、参考:外務省)。
難民を受け入れている国や地域の開発を支える仕事は、緊急支援のあとに続く長い支援を担います。
JICA職員の採用ルートや求められるスキルは、JICAで働くには?の記事にまとめています。
NGO・難民支援団体
NGOや難民支援団体は、UNHCRのパートナーとして現地で事業を行ったり、日本に逃れてきた人を直接支えたりしています。
COCOCOLOR EARTHがインタビューした石井麻鈴さんは、取材当時、公益財団法人パスウェイズ・ジャパンでプロジェクトオフィサーとして働いていました。
大学時代にフィンランドで難民への英語教育に関わり、卒業後はベンチャー企業で新規事業やキャリアアドバイザーの仕事を経験しています。
その後、イギリスの大学院で移住と開発を学び、日本に逃れてきた若者に高等教育の奨学金を届ける「教育パスウェイズ」を担当していました。
難民を「かわいそうな人」として見ず、対等な目線で向き合うことを大切にしているそうです。
ビジネスの経験を難民支援に生かすまでの道のりは、パスウェイズ・ジャパン石井麻鈴さんのインタビューで読めます。
政府系の機関から、NGOの側に移って難民支援に関わる人もいます。
COCOCOLOR EARTHが2019年にインタビューした松尾沢子さんは、上智大学を卒業してJICAに就職し、研修事業部で3年働いたあと外務省に出向しました。
出向先では、NGOなどとの連携制度の企画にも携わっています。
その経験から、国際協力は政府系の機関だけでは発展せず、市民社会に立脚するNGOの力が欠かせないと考えるようになり、NGOのネットワーク組織であるJANICに転職しました。
取材当時は、JANICとInternational Medical Corps日本で、難民などへの人道支援の国際基準を広める仕事を担当していました。
JICAからNGOへ移った経緯は、JANIC松尾沢子さんのインタビューで読めます。
企業
日本企業の中にも、UNHCRと協力して難民支援に取り組んでいる会社があります。
株式会社ファーストリテイリング
株式会社ファーストリテイリングは、ユニクロやジーユーを展開するアパレル企業です。
2011年にアジアの企業として初めて、UNHCRとグローバルパートナーシップを結びました。
店舗で回収した服を難民や国内避難民に届けており、2024年12月末までに64の国で5,600万点以上が配られています。
難民の雇用にも取り組み、2024年4月時点で日本国内では難民の背景をもつ従業員60人が働いています(参考:UNHCR駐日事務所)。
株式会社富士メガネ
株式会社富士メガネは、メガネや補聴器を販売する会社です。
1983年から、社員が難民支援の現場を訪ねて視力検査を行い、メガネを届ける「海外難民視力支援ミッション」を続けています。
これまでにアルメニアやネパール、タイなどに16万2,000組を超えるメガネを届け、派遣した社員は延べ189人です。
2006年には、金井昭雄会長が難民支援に貢献した人をたたえるナンセン難民賞を受賞しました(参考:UNHCR駐日事務所)。
国際協力に取り組むほかの会社は、国際協力に取り組む企業10選で紹介しています。
よくある質問
UNHCRで働くことについて、よく寄せられる質問にお答えします。
Q. UNHCR職員の給与はどのくらいですか?
A. UNHCRの国際専門職の給与は、国連共通制度に沿って決まります。国際人事委員会(ICSC)の給与表では、2026年1月1日時点で若手のP2の手取り基本給が年56,046ドルからです。これに勤務地の物価に応じた調整給が加わり、B〜Eに分類された厳しい勤務地では手当も出ます。家族を帯同できない勤務地では、扶養家族のいる職員に年19,800ドルの手当が支給されます。具体的な条件は、募集要項で確認しましょう。
Q. 国連UNHCR協会で働けばUNHCR職員になれますか?
A. なれません。国連UNHCR協会は、2000年10月に設立された日本の認定NPO法人で、UNHCRを支える日本の公式支援窓口です。協会の職員は日本の法人に雇われ、主に民間からの寄付集めや広報を担います。一方、UNHCR職員は国連機関であるUNHCRに直接採用される国際公務員などです。ただし協会での経験は、難民問題への理解やファンドレイジングの力を身につける機会になり、日本にいながら難民支援に関わる道の一つです。
Q. 新卒でUNHCRに入ることはできますか?
A. 大学を卒業してすぐUNHCRの正規職員になるのは、簡単ではありません。UNHCRは職員に少なくとも学士号を求めており、JPOでも修士号なら2年以上、学士号なら4年以上の職務経験が求められるためです。学生のうちにできることとしては、大学で2年以上学んだ人や卒業後2年以内の人が応募できるインターンがあります。卒業後はNGOやJICA、難民支援団体などで経験を積み、JPOや空席公募に挑戦するのが現実的な道筋です。
Q. 日本のUNHCR駐日事務所で働くことはできますか?
A. 駐日事務所は定期的な採用を行っておらず、ポストに空きが出たときに募集を出しています。また、UNHCRの国際専門職は原則として自分の国籍のある国では働かず、初めて採用されるときの勤務地も国籍のある国以外になります。そのため日本人が国際専門職として東京で働く道は限られます。駐日事務所では法務・渉外・広報・総務などでインターンを受け入れてきたので、まずはUNHCR駐日事務所の採用ページで、インターンの募集を確認してみましょう。
まとめ
UNHCRで働くには、難民支援や人道支援に関わる専門性と実務経験、英語を中心とした語学力、そして厳しい勤務地でも働く意思が求められます。
入り口は、空席公募、JPO、国連ボランティア、インターン、コンサルタントの5つで、日本人の若手にとってはJPOが代表的なルートです。
2025年以降は資金不足でポストが大きく減っているため、まずはUNHCRの採用サイトで関心のある分野の募集要項を読み、必要な経験を確かめてみてください。
そのうえで、NGOやJICA、難民支援の団体、UNHCRと協力する企業など、別の場所で経験を積みながら機会を待つのも一つの方法です。
難民支援や途上国支援に取り組む企業は、ココキャリアで探すことができます。
故郷を追われた人は世界の70人に1人にのぼり、支える人の力はこれからも必要とされています。
一歩ずつ経験を重ねて、難民の人たちの明日を支える仕事に近づいていきましょう。
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この記事の監修者
吉田宏輝
COCOCOLOREARTH代表、社会活動家。
COCOCOLOREARTHでは、社会課題解決を軸にした就職・転職活動を支援するインタビューメディアの代表として、100人以上の社会活動家にインタビュー、記事執筆やイベント登壇などを行う。
